2022.08.19
チョコレートの種類:普段食べているチョコは何?
最も身近なお菓子の一つであるチョコレートですが、「普段自分が食べているチョコレートの種類は何?」と聞かれたら、答えられる人は少ないのではないでしょうか。
板チョコやナッツ入りチョコ、ミルクチョコやビターチョコ、ホワイトチョコなど、改めて見直すと、チョコレートの種類は形や味を考えると実に数が多いです。
今回は、そんなチョコレートの種類についてご説明しましょう。
チョコレートの種類:味
甘味や苦味、食感など、チョコレートにはさまざまな味わいがあります。
中でも、ミルクチョコやビターチョコ、そしてホワイトチョコは多くの人に親しまれているチョコレートだといえるでしょう。
ここでは、味で分類した場合の、各チョコレートの定義についてご紹介しましょう。
ミルクチョコレート
ミルクチョコは、名前の通り乳製品を含むものが該当します。
なお、他のチョコレートでも乳製品を使用しているものが多いですが、実はミルクチョコには「全国チョコレート業公正取引協議会」によって明確な定義付けがされています。
乳固形分が14%以上含まれたものがミルクチョコとして扱われており、それを下回る場合はミルクチョコ扱いとはなりません。
参考:全国チョコレート業公正取引協議会「チョコレート類の表示に関する公正競争規約及び施行規則」より抜粋
味の特徴としては甘みが強く、クリーミーな後味が印象に残るチョコレートです。
サロンドロワイヤルのピーカンナッツチョコレートでも、ミルクチョコレートを主に使用しています。
ビターチョコレート
ビターチョコレートはダークチョコレートともいい、ほのかな甘味と苦味があり、程よい甘さが好きな人に人気のあるチョコレートです。
こちらは乳製品が14%未満で、カカオマスが40~60%のチョコレートがビターチョコとして定義されています。
主にカカオマスが原料ですが、ココアバターやココアパウダーを使用したものもあります。
近年ではハイカカオチョコレートといい、甘さよりも苦味が強いチョコレートも販売されています。
ホワイトチョコレート
ホワイトチョコはミルクチョコやビターチョコとは異なり、カカオの成分がほとんど含まれていません。
調理の過程で生成されるココアバターにミルクや砂糖を加えて作られるのが、ホワイトチョコです。
つまり、カカオの脂肪分を使用しているということです。
そのため、カカオがほとんど含まれていなくても、チョコレートとして定義付けられています。
ミルクチョコよりも強い甘みと、カカオの風味が少ないのが特徴です。
ルビーチョコレート
ルビーチョコレートは名前のとおりルビーのようなピンクの色をしたチョコレートです。
スイスのチョコレートメーカーが新たに開発したチョコレートであり、チョコレートの中でも特に最新のチョコレートであり、日本では2017年頃から普及し始めています。
コートジボワールやブラジルのカカオを特殊な方法で加工したチョコレートであり、ほんのりベリーのような酸味がするのが特徴です。
チョコレートの種類:表示
日本で販売されているチョコレートは、「チョコレート」や「準チョコレート」などの表示があります。
これらの表示は、「チョコレート生地」や「準チョコレート生地」をどの程度の割合で含んでいるかによって変わります。
ただ、これらの生地について、そもそもわからない方も多いかもしれません。
まずは、チョコレート生地と準チョコレート生地が何かについて見てみましょう。
参考:全国チョコレート業公正取引協議会「チョコレート類の表示に関する公正競争規約及び施行規則」
チョコレート生地と準チョコレート生地とは
チョコレート生地や準チョコレート生地には、カカオニブ、カカオマス、ココアバター、ココアケーキ、ココアパウダーなどが含まれています。
これらを総じて「カカオ分」といって、カカオ分の比率によってチョコレート生地か準チョコレート生地かが分かれます。
チョコレート生地
チョコレート生地は、下記の条件を満たしたものを指します。
- ・カカオ分:21~35%以上(うちココアバターが18%以上)
- ・脂肪分:―
- ・乳固形分:任意、カカオ分と合わせて35%以上(うち乳脂肪は3%以上)、14%以上(うち乳脂肪は3%以上)のいずれか
- ・水分:3%以下
- ・カカオ分:7~15%以上(うちココアバターは3%以上)
- ・脂肪分:18%以上
- ・乳固形分:任意、もしくは12.5%(うち乳脂肪は2%以上)
- ・水分:3%以下
- ・チョコレート:チョコレート生地が60%以上使われているもの。
- ・チョコレート菓子:使われているチョコレート生地が60%未満のもの。
- ・準チョコレート:準チョコレート生地が60%以上使われているもの。
- ・準チョコレート菓子:使われている準チョコレート生地が60%未満のもの。
ココアバターの割合が18%以上となっており、全体的なカカオ分が多いのが特徴です。
準チョコレート生地
準チョコレート生地は、下記の条件を満たしたものを指します。
ココアバターの代わりに、植物油脂を使用することが多いです。
チョコレートの表示はどのように変わる?
チョコレートの表示は、チョコレート生地や準チョコレート生地が、どの程度の比率で使われているかによって変化します。
主な表示分類は下記の4つです。
他にも、ココアケーキを粉砕したものであれば「ココアパウダー(もしくはココア)」、ココアパウダーに糖類や乳製品などを加えて飲みやすくしたものは「調整ココアパウダー(調整ココア)」などの表示があります。
チョコレートの種類:形
味の種類もさまざまですが、チョコレートは形でもさまざまな呼び方があります。
成形がしやすいチョコレートはサイズも形も自由自在のため、見た目も楽しめるのが特徴です。
ここでは、そんな「形」とその名前についてお話しましょう。
板チョコ
多くの人に親しまれている形といえば、やはり板チョコでしょう。
名前の通り板状にしたチョコレートのことであり、溝が入っているので分割しやすくなっています。
ちなみに、溝が入っている理由は均等に冷やすためであり、銀紙で包まれているのは日光を遮断したり香りを閉じ込めたりするのが目的です。
生チョコ
ちょっと高級な気分を味わえるのが、生チョコです。
こちらは溶かしたチョコレートに生クリームを練り込んで作られるチョコレートで、従来のチョコレートよりも水分が多いため、とろりとした食感が楽しめます。
なお、手作りで生チョコを作る場合、重要なのが温度です。
生クリームもチョコレート生地も、熱しすぎると油分が分離してしまい、製品のような固形状態を保てなくなります。
ボンボン・ショコラ
いわゆる、一口サイズのチョコレートのことをボンボン・ショコラといいます。
一口サイズであれば形は特に定まっておらず、四角形だったり楕円形だったりとさまざまです。
高級チョコレートとしてよく見かける「トリュフ」は、あえて表面をきれいに整えないことでキノコのトリュフに似せています。
上述した生チョコやサロンドロワイヤルで扱っているピーカンナッツチョコなども、ボンボン・ショコラに分類されます。
なお、ボンボンはフランス語で「一口サイズのお菓子」という意味で、ショコラはチョコレートのことです。
ジャンドゥーヤ
ジャンドゥーヤは、イタリアで生まれたチョコレートです。
ナッツを使用した種類のチョコレートですが、こちらはナッツをそのまま使うのではなく、ペースト状にしてチョコレートと混ぜ合わせたものを指します。
ヘーゼルナッツやアーモンドが主に使われていますが、他にもピスタチオや他のナッツを使用したジャンドゥーヤもあり、バリエーションは豊かです。
ナッツの風味がチョコレート全体にいきわたっており、風味豊かな味わいが楽しめます。
チョコレートの種類:用途
こちらで紹介するのは、お菓子としてではなく、製菓材料やソースといった用途でのチョコレートです。
もちろんそのままでも食べることができますが、砂糖やミルクが含まれていないことが多いので、他のものと組み合わせることで風味を実感できます。
クーベルチュールチョコレート
こちらはそのまま食べるのではなく、主に製菓材料として使われるチョコレートです。
国際規格では「総カカオ固形分35%以上、無脂カカオ固形分2.5%以上、カカオバター以外の油脂使用不可」のものが、クーベルチュールチョコレートと定義付けされています。
カカオバターが含まれているため流動性が高いのですが、その分使用する際の温度管理に注意しなければ油分が分離してしまうため、使いこなすには高い技術力が必要です。
なお、サロンドロワイヤルでもクーベルチュールチョコレートを用いたお菓子を多数取り揃えております。
特にマカデミアンナッツチョコレートは、第25回全菓博技術優秀賞を受賞する程高い評価を受けております。
チョコレートの滑らかさと、カリッと香ばしいマカダミアナッツのマリアージュをぜひお楽しみください。
洋生チョコレート
こちらも製菓材料ですが、クーベルチュールチョコレートとの違いは、ほとんどココアバターが含まれていないという点です。
溶かすだけで使用できるため、主にコーティングで使用されることが多いです。
ガナッシュ
生チョコやボンボン・ショコラを作る際に用いるチョコレートです。
チョコレートと加熱した生クリームを混ぜ合わせてなめらかなクリーム状にしたものをガナッシュといいます。
これを冷やし固めたのが生チョコレートであり、ボンボン・ショコラはガナッシュを他のチョコレートでコーティングしたものを指します。
他の用途としては、チョコレートケーキの材料としてスポンジにサンドする際にもガナッシュを用います。
製菓材料として分類していますが、このままでも美味しく食べることができます。
ちなみに、ガナッシュとは「間抜け」という意味であり、職人見習いがうっかり沸騰したミルクをチョコレートの鍋に落としたのが由来とされています。
モレソース
モレソースはメキシコの伝統料理「モレ」に使われるソースで、お菓子ではなく、料理にかける調味料として用いられています。
モレとは「すりつぶす」という意味であり、モレソースはさまざまな食材をすりつぶして作られています。
チョコレート入りモレソースは「モレ・ポブラーノ」といい、肉料理やスクランブルエッグなどに使用されています。
海外でのチョコレートの分類
海外においては、チョコレートはどのような分類がされているのでしょうか。
ここでは、EUとアメリカの基準を基に、それぞれのチョコレートの分類についてみていきましょう。
EUの基準
EUにおいてのチョコレートの味の種類の基準は、日本と類似している点が多いです。
日本におけるチョコレートをはじめとするお菓子は、ヨーロッパの影響を大きく受けているためだと考えられます。
チョコレートは、カカオ分が35%以上、無脂ココア固形分14%以上、ココアバターが18%以上を指します。
ミルクチョコレートは、カカオ分が25%以上、無脂ココア固形分が2.5%以上、乳固形分が14%以上、乳脂肪分が3.5%以上、総油脂分が25%以上です。
ホワイトチョコレートは、ココアバターが20%以上、乳固形分が14%以上、乳脂肪分が3.5%以上となっています。
EUでは、植物油脂を最大で5%加えても良いと定められていますが、国によって賛否が異なっているようです。
アメリカの基準
アメリカでは、CFR(連邦規則集)と呼ばれる中に、チョコレートの基準が定められています。
日本との違いは、カカオ分ではなく、カカオマスの量で分類されていることです。
スイートチョコレートは、カカオマスが15%以上、乳固形分12%以下、ミルクチョコレートは、カカオマスが10%以上、乳固形分12%以上、乳脂肪分3.39%以上となっています。
ホワイトチョコレートは、ココアバター20%以上、乳固形分14%以上、乳脂肪分3.5%以上、そして甘味炭水化物が55%以下、となっているのが特徴です。
日本と同じく、ダークチョコレートの定義はありません。
バラエティ豊かなチョコレート
チョコレートは、デザインも味も使用用途も非常にバラエティ豊かです。
そのまま味を楽しめるものもあれば、お菓子のデコレーションとして、あるいは肉料理にソースとして使用されるものもあります。
そのため、チョコレートは見た目で楽しみ、味で楽しむこともできるお菓子として、人々に愛されています。
サロンドロワイヤルでも、皆様に楽しんでもらえるチョコレートをご提供させていただいております。